tamonoki021111
「総合的な学習の時間」を考える
■現場の声
□教育学部生に聞く
教員になるべく教育学部で学ぶ学生の、「総合的な学習の時間」に対する意識を知りたいと思い、アンケートを作成し、教育学部の友人たちに回答してもらった。
Q 学部、またはあなたの学科において、「総合的な学習の時間」について学ぶような講義、または実習の授業などはあるか。
あるのであれば、それはどのように行われているか。(授業形式、履修学年、単位認定など)
・大学の講義では「総合演習」という講義を受けた。班ごとに、ある程度決められた課題があり、その中で自由に調べ、発表するというものだった。また、教育実習でも総合の授業を観察した。私の観察したクラスは、インターネットを使い、自分の興味のあることを調べ、ワードやエクセルでまとめるというものだった。(技術教育専攻3年・男)
・ビデオで、どこかの小学校で「総合的な学習の時間」を利用して、子どもたち一人一人が関心のあることをなんでも(自分の住む町のこととか、自分の好きな教科とか、なんでも)、自分で決めたテーマに沿って調べていくっていう、機会を設けているっていう内容があった。小学生が自主的に勉強するっていう形で、先生はあくまでサポートという感じで子どもを指導していた。(地域社会教育コース3年・女)
・教育実習で附属小に行ったおりに、「総合」の授業を参観することができる。(障害児教育専攻2年・女)
・後期、金曜2コマに「総合学習の指導」というのがあった。また、教育実習に行けば、総合の授業ができる。(障害児教育専攻3年・男)
・私の学部では「総合的な学習の時間」という授業があるが、そのほかの学部共通科目でも総合についてはやる。「教育課程及び方法」という授業では、様々な教育の実践例(ex.オープンスクール、教科の枠にとらわれない学習など)を、ビデオを見ながら学んでいく。その中のほとんどが総合学習についてふれている。(数学教育専攻4年・女)
Q その講義(または実習)を受けた感想を教えてください。(感じたこと、思ったことなど)
・総合演習では、「総合」の役割みたいなものは正直よく分からなかった。自分達が、生徒がやるように、調べ、発表しただけで、この科目で何を生徒に学ばせたいのかは、学ばなかった。教育実習では、調べる、まとめる、発表するという能力は身につけさせることができていたと思うが、実践力が身についたかと言うと少し疑問があった。(技術教育専攻3年・男)
・子どもたちは結構大変そうだったけど、自分の興味あることを学習しているからみんなすごく楽しそうだし、その時間自体、充実感があって、いいなと思った。(地域社会教育コース3年・女)
・(研究授業で総合を行っての感想)進度が速い班は、何でもパッパッと自分たちで決めてどんどん進んでいくのだが、中には、教師の支援が必要なところ(支援をしても進まないところもあるが)もあって、その進度差の調節とかが大変だった。また、附属小はクラス解体なので、ほとんど知らない子どもが来て、どう支援していいのか困った。(障害児教育専攻3年・男)
Q あなたは「総合的な学習の時間」についてどのように考えていますか。(「総合的な学習の時間」というものについて感じていること、思っていることなど)
・この時間は、今までにない授業であることが大切だと思う。今の日本の子どもに欠けている、積極的な態度を養うことが目標ではないか、と私は思っている。しかし、実際の現場では、教師も何をすればいいのか迷っているのが現実だ。実習を観察してみても、やる気のある生徒とない生徒との差が大きくあった。もっと、「総合」について教える側が研究し、明確な目標を持つことが必要ではないかと考える。(技術教育専攻3年・男)
・私が見たビデオの学校みたいに、子どもの自主性を充分に伸ばすような、普段の受身の教育とは明らかに違った形の学習を実現しているような、そういう時間にすることができたら、とても有意義なものだと思う。(地域社会教育コース3年・女)
・現在の指導体制では補えなくなってきている問題(児童・生徒の心理的変化)があり、学校でもそれを取り上げていくべきだと思う。「総合的な学習の時間」で、子だもたち自身にそれを分からせる必要もあるのではないかと思う。(障害児教育専攻2年・女)
・児童への実態把握と導入部分で、本当の目的を意識させて意欲を高めることができるかということと、机間支援(進度差等、子どもの実態に沿った支援をすることや、個だけを見ず全体も見ること)が重要であるということだった。総合の指導案はほとんど役に立たない。指導案通りに進まない。(障害児教育専攻3年・男)
・体験して学ぶというのが最近の教育のテーマだが、私は、先生が(総合学習だけでなく他教科においても)やる内容を決めてそれを体験させるのではなく、子どもたちが知りたい、考えたいと思っていること、疑問に思っていることを取り上げ、実践していく必要があると思う。興味のない内容を設定して体験させても、それは今までの押し付けの教育とさほどかわらないと思うからだ。子どもたちの内なる興味や学習意欲をうまく引き出すことで、広がりや深さをもった学習ができると思うのだ。また、各分野の専門的な知識をもった人を呼び(地域の人。例えば、農家の方や獣医さんなど)、お話を聞いたり交流をすることで、地域の人々との関わりが増える。地域との連携が教育には必要なのではないかと思う。(数学教育専攻4年・女)
□大学教授に聞く
:10/15(火) 宇都宮大学教育学部 松本 敏教授へのインタビュー
松本 敏(社会科教育学)
小中高校の社会科教育について、特に公民領域の教育について担当しています。担当授業科目は、社会科教育法A、Bなど。社会科における環境教育や公民的資質形成論に関心があります。・・・宇都宮大学教育学部ホームページより http://ks001.kj.utsunomiya-u.ac.jp/EduUU/admin/major/major1c.html
Q 先生の専門分野について。
専門は「社会科教育学」。現在は、学部では社会科教育を、大学院では「カリキュラム開発学」を教えている。カリキュラム開発専攻は、これまで先生たちが学習指導要領に従って組み立ててきた授業を、(新しい学習指導要領の実施に伴い)今後は自分たちでつくっていかなければならないために、2年前に全国で初めて新設された。
社会科だけでなく、全体にわたってのカリキュラム開発についての指導を行う。
現職対応のため、学ぶのは学校の先生が中心だが、その枠を越えて、博物館職員の人なども学んでいる。
Q 学部において「総合的な学習の時間」への対応としての講義、実習などは行っているか。
「総合演習」
専攻ごとに10人から多くて20人くらいの単位で、教職をとる人は、全員履修しなければならない科目。(1997年の教職員免許法改正に基づいて定められている)
学生が企画して発表する、学生主体の調べ学習。
学生は、どの先生の授業でも専攻をこえて自由に選択することができるが、多くは、自分が専攻するところの先生の授業を履修しているようである。
「総合学習の指導」
今年度の後期、10月18日から開講される選択科目で、(教育学部)川島先生をはじめとする数人の先生が共同で指導を担当するものだが、始まったばかりなので、実際のところはまだ分からない。
Q 大学とは別に、何か「総合的な学習の時間」についての取り組みなどは行っているか。
宇都宮市立教育研究所の事業で、姿川中央小学校での「総合的な学習の時間」をつくる指導。実際の授業を見てアドバイスをしたり、昨年度末には、次年度の総合的な学習の時間の計画についての助言を行ったりした。
栃木県立黒羽高校で、一度、総合的な学習の時間についての話をし、相談にのった。
栃木県総合教育センターで「総合的な学習の時間」のあり方について講演を行った。
西那須野町での町の先生たちを対象にした講演を行った。
Q 「総合的な学習の時間」についてどのように考えているか。
“難しい”という印象。
上手くいっているところとそうでないところとの差が大きい。
学校や地域の教育力に左右される。力量が要求され、負担も大きい。
校長を中心にまとまっているところはいいが、バラバラのところもある。
子どもたちに、こういった力をつけさせたいという意図はわかるが、それが上手くいっていないところがある。
どこの学校でも上手くやるのは難しいという印象。
Q 今後、「総合的な学習の時間」を上手くやっていくために必要なことは。
教員集団の、一緒になってやっていこうという、学ぼうとする姿勢。
さらに良い研修システムが行政側から提供されること。
先生や学校の力量に合わせた実践の紹介やアドバイス。力量を見極めることが必要。
先進校の実践の裏にある(報告書には書かれていない)見えないノウハウの積み重ねが大切。
□先生に聞く
:9/19(木) B市立B小学校教諭へのインタビュー
・この活動、この取り組みがベストである、というのはなく、地域、学校、子供によってそれは異なる。
・なるべく、人とのつながりを体験の中に盛り込むようにしている。学校ごとに作成し所有する人材マップでもって、地域人材の活用、外部との連携を図っている。
・1、2年生時に生活科だったものが、3年生から「総合的な学習の時間」となり、週3時間で、これは、理科、社会科の時数よりも多い。時間割も、学期、学校ごとに異なる。
・「総合的な学習の時間」における人数の単位は、学級であったりグループであったり個人であったり、ばらばらである。
・「総合的な学習の時間」の内容の決め方は、
△興味関心追求型・・・子供たちの興味関心に基づいた取り組みが可能であるが、子どもたちの課題設定によっては深く追究できなかったり,興味関心が持続しなかったりする難しさがある。
△課題設定型・・・・・・・事前に教師の準備が可能であるが、提示したものに対する子供たちの反応が悪いと、先に進めない。
・教えないで学ばせる難しさがある。調べ方*さえ分からなくて大変な子供もいる。
調べ方*・・・どの学校にもPCがあり、子供たちはインターネットを使える。PCの使い方は、特別には時間を設けず(学校によってはきちんと系統立てて総合的な学習などで取り扱っている場合もある)他教科にちりばめて教える。
・評価は絶対評価で、教師間で目指す子供像への個々の到達度に基づき、評価を行う。「総合的な学習の時間」については、研修でも学ぶが、話だけではなく実践していかないといけないので、「総合的な学習の時間」の効果をもっと上げるためにも、現場は試行錯誤の状態である。
:10/23(水) C市立C小学校での「総合的な学習の時間」の授業見学、並びに教務主任のC教諭へのインタビュー
Q 「総合的な学習の時間」への取り組みは、いつ頃から行っているか。
学校としての取り組みは(「総合的な学習の時間」の本格実施に向けた移行期間開始の)平成12年度からだが、平成9、10年度辺りから、試行の試行のような勉強を、自主的に先生方が始めていた。
Q 「総合的な学習の時間」の授業内容の決定や進め方について、どのように行われているか。
素案は、先進校の(文部科学省指定のモデル校)の実践事例にならい、決定は先生方全員で行う。時期としては、12、1、2月。2、3月で授業の骨組みを決定し、4、5月で計画の見直しをしながら軌道修正を行う。やってみての反省を次年度以降に活かしている。
時間数については、
平成12年度・・・35時間
平成13年度・・・70時間
平成14年度・・・105時間(3、4年生)、110時間(5、6年生) /年
と段階を踏んで増やしてきた。
(「総合的な学習の時間」の)経験がないのだから、とにかくやってみよう、という思い。
Q 現場の先生方の「総合的な学習の時間」についてのとらえ方、受け止め方。
「総合的な学習の時間」(うんぬん)の前に、ベースとなる力、読み書きなどの基礎学力が子供たちにないと「総合的な学習の時間」の授業もできない、という思い。
Q 苦労している点など、現在抱えている問題や課題。
子供たちが、(取り組むべき)問題、課題を見つける、というのが「総合的な学習の時間」ではないかと考える中で、なかなかこれを見つけられない子供がいるのが問題。
教師の願いとしては、(「総合的な学習の時間」を通し)人や社会との関わり、ふれあいを、自分に自信を持たせたい、という思いがある。
Q 「総合的な学習の時間」への行政側の支援について、何か思うところ、感じるところ。
「総合的な学習の時間」を含めて、「はばたけ宮っ子推進事業」という名称で補助金がいただけてありがたい。
:10/24(木) 宇都宮市立上戸祭小学校 平成14年度 宇都宮市小学校教育研究会 総合的な学習部会研修会への参加
:10/31(木) D県立D高等学校での「課題研究」[1]の授業見学、並びに教務主任のD教諭へのインタビュー、生徒さんたちへのアンケート調査
高等学校における「総合的な学習の時間」の実施は平成15年度からであるが、「総合学科」[2]を設ける高校では進路指導などにおいて、この時間への取り組みが早いのでは、という松本教授のアドバイスを受け、行ってきた。
Q 「総合学科」設立の経緯
高校再編の流れ。
県内の高校の普通科と専門学科との比率見直しという、県の方針で家政科の募集停止が決定された。
Q 総合学科の特徴
普通科や家政科と違い、選択授業が多い。
1年生時での原則履修科目「産業社会と人間」の授業において、進路について考える学習を行うこと。
しかし、世間一般では、総合学科に対して専門学科と同じ、というイメージが強い。
Q 教師側のスキルについて
専門外の分野に対するフォローとして、研修に出かけたり専門学校に行って学ぶ先生もいたり、普通科の先生に比べ、総合学科の先生の負担は大きいだろう。
Q 「総合学科」のメリット、デメリット
メリット・・・
・いろいろな生徒がいる。
大学や専門学校に進学する生徒もいれば、就職する生徒もいる。
生徒は、氏家、矢板からが中心だが、「総合学科」に魅力を感じ遠くから来る生徒もいる(駅の近く、という立地条件の良さもある)。
・広いつながり
クラス単位の授業は、学年が進むにつれ減り、各自の進路に基づいた授業をばらばらに受けるようになるので、友達がたくさんできるなど、つながりが広くできる。
・生徒の興味・関心にあわせた科目をたくさん備えてある。
デメリット・・・
いろいろな教科のつまみ食いとも、とれる。
Q 「総合学科」で教える先生方について
総合学科に行くのは大変、というイメージを持っている。異なった科目をいくつも担当するため、普通科で教えるより大変だろう。
職員数は普通化に比べ、正規で10数名多く非常勤の先生も多い。総合学科の加配が、(クラス数÷2)+1と、国で定められているため。
Q 現在抱えている問題や今後の課題について
(何年か先まで見据えた上での)生徒の進路実現をどう目指していくか、に尽きる。
進路指導については、1年生時での「産業社会と人間」において、授業として進路設計、進路指導を設けている。
選択する授業が多く、(それぞれの進路に基づいた)科目選択とも関わってくるため、かなり時間を割かなくてはならず、教師生徒間は密である。
Q 地域との関わりについて
総合学科になってから、中国語のできる先生による中国語講座を設け[3]、一般の人も受け入れている。
町の社会福祉協議会と連携し、町の施設を訪問して実習を行う。
毎年、12月半ばに芸術系列[4]の発表会(作品展示、演奏)を町の公民館で、一般の人にも公開している。
【アンケート集計結果】・・・38名分(男:10、女:28)
Q あなたがD高等学校総合学科へ進学を決めた理由を教えてください。
以下の選択肢から近いものを選んでください。(複数回答・・・4)
a 進学、就職に有利と考えたから。 |
5 |
b 授業などカリキュラムに魅力を感じたから。 |
25 |
c 自宅から近距離であるなど、通いやすかったから。 |
7 |
d 当初志望していた高校に進学できなかったから。 |
2 |
e なんとなく。 |
1 |
f その他 |
2 |
※ f その他・・・自分の学力に合っていると思ったから。学力的に。
Q 総合学科で学んでいて良かった、と思う点はありますか。それはどのような点ですか。
・1年で「産業社会と人間」で、職業に対する知識をつけ、2年、3年で、自分のカリキュラムを作れるので、希望にあった大学や進路に進むことができるところ、さらに課題研究などの独特の教科があるところ。
・学習や興味の視野が広がり、自分が本当に好きなこと、やりたいことは何か、というのがわかったこと。
大学受験でAO入試を受けたが、そのとき、総合学科の特色を活かして自己アピールできたこと。
・他の学校にはない授業がとれる点。
・普通科では学べない教科が学べるところ。
・文書処理など、パソコンを使った授業と普通科とそれほどかわらない授業を組み合わせることができる点。
・自分で科目を選択し、時間割を考えるなど、自主性が尊重されている。
・将来についてよく考えることができた。
・自分の進路にあった勉強ができるという点。進路に合った科目を選択できる点。
・進学に必要な教科だけを重点的にできる点。
・自分の興味・関心・進路に合わせて授業を選択できること。
・自分の興味・関心・進路にあったカリキュラムを選択でき、個性を伸ばすことができる点。
・自分の進路にあわせてカリキュラムが作成できた事により、好きな事がより深く学べた点。
・自分の特技を伸ばせる。
・英語を勉強するのにも、複数の選択肢があるので、細かく勉強できる。
・興味のある科目を中心に(私の場合は外国語)科目選択できたので、かなり力がついた。進路や受験科目に合わせてカリキュラムを組めるので、受験にかなり有利になったこと。
・自分の学びたい事を詳しく学べる。自分の進路や夢に近づけた。
・進路実現に向けてのカリキュラムが作成できたこと。(児童福祉などの授業を選択できた)
・将来に必要だと思う授業が選択でき、高校生のうちから基礎的な事が学べる点。
・保育の授業が学べたこと。将来、保育士になりたいので、入学する前から保育の授業を学びたいと思っていた。その授業を受けたことで、将来の夢に関心を持つことができた。
・様々な検定が受けようと思えば受けられる点。
・幅広い選択科目があること。
・みんな、進みたい先ややりたいことが違っていて、いろいろな考え方がある。それで刺激しあえている点。
・特にはない。
Q 総合学科で学んでいて困った、まずかった、と思う点はありますか。それはどのような点ですか。
・1年時から「これだ!」という希望があるのならいいのですが、何も決まっていないと進路実現へのカリキュラム選択が難しい。途中で進路を変えた人などには不便。
・目標ややりたい方がない人は、大変だと思う。
・進路がはっきりと決まっていないと、科目選択で後悔する。
・受験科目に応じて授業を選択しなければいけないのに、受けたい大学がはっきりしていないから、困った。
・科目ミスをすると、後で変更できないこと。
最初は自由に選択し、授業も普通科とは違って充実しているのかと思ったが、将来のことを見据えて、先生方が一方通行に選択の余地なしといった感じでカリキュラムを選んでしまうので、あまり普通科とかわらない。
・他の進路に変更したい(例えば私立大から国立大)ときに応用がきかないこと。
・一度授業をとってしまったら進路が変わってもかえられないから、必要なくても授業を受けることが時間の無駄だと思った。
・なんとなく選んだものが、自分とは関係のない進路の授業だった。
・全ての授業を自分の好きなようにとれないところ。
・カリキュラムを決めるのが早めな点。
・大学進学者が普通科よりも少ないので、勉強がおろそかになりやすい。
・いざ、大学に進学しようと決めたとき、他の普通科の高校より、受験科目の勉強度が少ないなぁ、と思った。
・専門的に学ぼうとしても、四年制大学に進学する場合、普通科と変わらない授業選択になってしまう点。
・興味ある授業ばかりを選択してしまい、かたよりがでてしまった点。
・普通科で学ぶはずの教科でも、自分の進路に関係なければ選択しないので、偏った時間割になってしまう点。
・移動教室が多いこと。
・自分が思っていた授業と違う点。
・感じたことはない。特になし。
Q あなたの将来の夢を教えてください。
二輪車販売店の経営●当たり前のことを当たり前にできる自立した大人になりたい。●教師、公務員、バリバリ働くこと●警察官●スクールカウンセラー●裁判官●保育士●観光業務●(管理)栄養士●幼稚園教諭●幸せになること●学芸員●研究者●子どもに関わる仕事●病院・福祉施設などの心理関係職●全日本公認のアスレティックトレーナー●考え中●通訳●国際機関に就職し、戦争孤児難民救済の仕事をすること。世界平和に貢献したいと思っている。●小説家●英語を活かした仕事●図書館司書●高校の事務員●広告代理店でコピーライターとしてやっていきたい。●プロデューサー
:11/2(土) E町立E中学校教諭へのインタビュー
Q 「総合的な学習の時間」への取り組みは、いつ頃から行っているか。
平成12年度から。それ以前は、(「総合的な学習の時間」の)時間が確保されていないため、取り組んでいない。
(平成12年度から)2年間の試行段階においては、学年ごとに設定したテーマに基づき、オーソドックスな「総合的な学習の時間」を行っていた。
現在は、年間70時間。週に換算すると、週平均2時間。
Q 具体的にどういった活動を行っているか。
コミュニケーション力、表現力を前面に押し出した活動。
@探求重視コース・・・課題解決型
A表現重視コース・・・演劇、和太鼓、民舞
B体験重視コース・・・ものづくり(木工所で)、栽培・生産活動(地域の農家の方の協力)
という3つのコースを設け、AとBの活動が学校として特徴ある活動となっている。文化祭で、Aのコースは発表を、Bのコースは栽培した作物の販売を行い、利益は老人ホームに寄付している。
縦割り
文化祭までの50時間は、1〜3年まで学年の垣根を越えて@〜Bの活動となるが、残りの20時間は学年ごとに戻り、それまでの50時間の活動を振り返り、進路について考えるなど、自己を見つめることを目的とした内容となる。
AとBの活動においては、外部指導者として地域の方々の協力を得ており、この外部指導者は、職員の人的つながり、または町に登録している方の中からお願いしている。彼らへの謝礼は町が一律に負担している。
Q 授業内容の決め方や進め方について、どのように行われているか。
取り組み方は、学校によっていろいろ。E中学校では校長がイニシアティブをとる。
一般論として、教科担任制の中学校においては教師間の結束力が、小学校におけるそれと比べ弱いところがあったが、「総合的な学習の時間」ができたことで、学校としてこれに取り組んでいかなければならないため、みんなでやっていこうという意識は高まるだろう。
Q 現在抱えている問題、課題について。
質がどうか、という問題。学校全体としてグループとして上手くいっても、それが生徒ひとりひとりにどれだけ深まっているか(質の深まり)、という点。
(「総合的な学習の時間」が始動したばかりの)今は、過渡期。いろいろな考え方があるが、とにかく実践してみないことには。
成果が見えるなど、上手く回転していけば(「総合的な学習の時間」は)ダイナミックなものとなり得るが(なかなか難しい)。
(「総合的な学習の時間」は)学校や子ども達を取り巻く“環境”、実態を踏まえたものでなければならない。
小学校との連携について、今後は課題となってくるだろう。
Q 行政側の支援(体制)に対して、何か思うところ、感じるところはあるか。
外部講師を招いたときなどの謝礼の補助金。
・・・F町立F小学校教諭
しかし、こうしたボランティアに対する謝礼、というのは、まだ一般の間で “ボランティア”に対する考え方が浸透していないためである、と考えられる。
Q 地域に対しての発信などについて。
・・・F町立F小学校教諭
“Fっ子ネット”という名で、自治会と保護者へ向け回覧版をまわして、「総合的な学習の時間」におけるボランティアを募ったりしている。
現場の先生にお話を伺って・・・
小学校と中学校、特に小学校における「総合的な学習の時間」は時間数も多く、カリキュラムの中でかなりのウェイトを占めるものであるため、先生方の切迫感のようなものが感じられた。しかし、今回お話を伺った先生方は、どの先生方も、非常に積極的な姿勢で臨んでいられるように見受けられた。いただいた指導案を含めた資料も、綿密で非常にボリュームがあり、正直、驚いた。
「総合的な学習の時間」の授業を見学して・・・
小学校においても、高等学校においても素直に、子どもたちが活き活きしているような感じを受けた。
この、「総合的な学習の時間」の授業の効果は、やったからすぐ現れると言うものではないわけだが、今回、現場に足を運びお話を伺ったり、授業を見学させていただいたりして、改めて、非常に興味深く、有意義な時間になり得るものではないかと感じた。
今後・・・
・地域との連携の必要性
・幼稚園、小学校、中学校、高校という流れの必要性
について考えていきたいと思っている。
参考
第3 総合的な学習の時間の取扱い
1 総合的な学習の時間においては,各学校は,地域や学校,児童の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や児童の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。
2 総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。
(1) 自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
(2) 学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。
3 各学校においては,2に示すねらいを踏まえ,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題,児童の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題などについて,学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。
4 各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めるものとする。
5 総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 自然体験やボランティア活動などの社会体験,観察・実験,見学や調査,発表や討論,ものづくりや生産活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れること。
(2) グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制,地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。
(3) 国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは,学校の実態等に応じ,児童が外国語に触れたり,外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学校段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすること。
各教科等の授業時数
学校教育法施行規則別表第1(第24条の2関係)
区分 |
各教科の授業時数 |
道 |
特 |
総合 |
総 | ||||||||
国 |
社 |
算 |
理 |
生 |
音 |
図 |
家 |
体 | |||||
第1学年 |
272 |
− |
114 |
− |
102 |
68 |
68 |
− |
90 |
34 |
34 |
− |
782 |
第2学年 |
280 |
− |
155 |
− |
105 |
70 |
70 |
− |
90 |
35 |
35 |
− |
840 |
第3学年 |
235 |
70 |
150 |
70 |
− |
60 |
60 |
− |
90 |
35 |
35 |
105 |
910 |
第4学年 |
235 |
85 |
150 |
90 |
− |
60 |
60 |
− |
90 |
35 |
35 |
105 |
945 |
第5学年 |
180 |
90 |
150 |
95 |
− |
50 |
50 |
60 |
90 |
35 |
35 |
110 |
945 |
第6学年 |
175 |
100 |
150 |
95 |
− |
50 |
50 |
55 |
90 |
35 |
35 |
110 |
945 |
文部科学省ホームページ 小学校学習指導要領より http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youryou/index.htm
学校いきいきプラン
多様な経歴を有する社会人を全国の学校に3年間で約5万人を目標として導入する構想(目標年度は平成16年度)。これらの社会人の知識や経験を学校教育活動における幼児児童生徒の指導等に活用することにより、学校教育の一層の活性化と一人一人に目の行き届いた教育の実現に資するとともに、地域社会に開かれた学校運営の実現と社会全体で学校を支える態勢づくりに資することを目指す。財源としては、平成13年度補正予算で措置された緊急地域雇用創出特別交付金等が充てられる。
文部科学省ホームページ 報道発表一覧 分野別一覧(初等中等教育) 2002/01/17
学びのすすめ 注釈より http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/houdou/index.htm
(a)学校教育教員養成課程の専門教育科目 (カリキュラム(2)学部専門教育科目)
課程共通科目U 総合演習と小学校及び中学校の教育実習
〇課程共通科目 II は、教員としての実践的指導力を、小学校・中学校等の教育実習における教育実践の場を通してさらに磨くとともに、実践を基に教育の現代的問題に積極的に取り組む姿勢を養います。総合演習は,小学校の総合的な学習の時間に対応したものであり、グローバルな視点からの指導力養成などを目指します。
宇都宮大学教育学部ホームページより http://ks001.kj.utsunomiya-u.ac.jp/EduUU/index.html
参照サイト
・文部科学省ホームページ http://www.mext.go.jp/index.htm
・教育情報ナショナルセンター http://www.nicer.go.jp/index.html
・宇都宮大学教育学部 http://ks001.kj.utsunomiya-u.ac.jp/EduUU/index.html
・宇都宮大学教育学部 教育実践総合センター http://et.mine.utsunomiya-u.ac.jp/default.htm
・宇都宮市立教育研究所 http://www.ueis.ed.jp/
・NHK BS1 インターネット・ディベート 【テーマの説明/情報とデータのコーナー】 より http://www.nhk.or.jp/debate/th/f/08/tit/f08_word.htm
[1] 課題研究・・・総合学科における、3年次生を対象とした原則履修科目。今年度入学の1年生までで廃止される。新課程となる平成15年度からは、総合学科に限らず「総合的な学習の時間」においてこれに取り組む。
[2] 文部科学省ホームページ 総合学科の今後のあり方について 参照 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/009/toushin/000101.htm
[3] 平成7年度より
[4] 系列・・・進路に応じた学習ができるように、ある程度の方向性と系統性を持たせた科目のまとまりD高校HPより